辛い産後!家事の手抜きと周囲のサポートで乗り越えよう
出産後の心身の辛さは、特に初産婦の場合、想像をはるかに超えています。
あまりの大変さに疲れ果てて、気持ちが落ちこんでしまうことも少なくありません。
症状の重さによっては、どうしようもなく絶望的な気分になる場合もあります。
そのような産後の辛さを乗り越えるにはどうすればよいのか、辛さはいつまで続くのかなどについて紹介します。
もくじ
辛いのはお産だけではない!産後の痛みや辛さはなぜ起こる?
産後は出産前とは体の様子が大きく変わるので、自分でも思いがけず心身の調子が乱れてしまうことが少なくありません。
産後のさまざまな体の辛さと精神的な辛さはなぜ起こるのでしょうか。
その原因について説明していきます。
体の痛み・辛さの原因
個人差はあるものの、出産時と出産直後には体に大きな負担がかかります。
出産時に会陰切開したり、出産後は子宮が元の大きさに戻ろうとするときに起きる後陣痛が起こる人もいます。
排便痛や股関節の痛みなど、さまざまな痛みや不快感が現れることが少なくありません。
このように、産後の痛みや出産の疲労から回復していない満身創痍の体のまま、育児を始めなければならないのというのが現実です。
新生児の時期は、身体を休める時間が取りにくいのも体の不調を引き起こす原因です。
昼夜問わず2~3時間おきに授乳しなくてはならないので、夜も思ったように睡眠が取れません。
授乳前後の準備もありますし、おむつ替えも1日に何度も必要です。沐浴も最初のうちは1日2回行うこともあるでしょう。
睡眠は健康の基本ですが、赤ちゃんのために母親の睡眠時間は大きく削られてしまいます。
体をしっかり休めることができないので、さまざまな不調が引き起こされます。
精神的な辛さの原因
産後の精神的な辛さには、まずホルモンバランスの変化が関係しています。
出産後は、妊娠継続に多く分泌されていたホルモンが分泌されなくなります。
この急激なホルモンの変化によって、マタニティブルーズ(産後うつ)が引き起こされて、急に精神的に不安定になるケースが少なくありません。
また、自宅に戻った途端に周りに育児を手伝ってくれる人がいなくなるのも、精神的な不調を引き起こします。
病院や産院にいる間は、看護師や助産師の助けを借りながら育児を行っていたため、初めての育児でもあまり不安を感じずに済みます。
しかし、自宅に戻った途端一人で対応しなければならなくなり、急な不安と孤独感に陥ることがあるのです。
赤ちゃんが何度も泣くので、泣き声に参ってしまう母親もいます。
授乳やおむつ替え以外にも、暑かったり寒かったり、赤ちゃんが泣く理由はたくさんあります。
1日中泣いているような様子を見ていると、子育てに慣れていない母親にとっては精神的に追いつめられる過酷な日々が続いてしまいます。
さらに、この辛い状況がいつまでも永遠に続くかのような絶望的な気持ちになって、ノイローゼ状態に陥ってしまう母親もいます。
どうすれば乗り越えられる?辛い産後の心と体の痛み
産後の不調は多かれ少なかれ、誰でも感じるものです。
では、産後の辛い時期をどう乗り越えればいいのでしょうか。
産後の心身の不調を乗り越えるための方法について、体の辛さと精神的な辛さの両面から説明をしていきましょう。
体の痛みや辛さを乗り越える方法
産後の辛さを乗り越えるには、信頼できる人に相談をして手を借りることが大事です。
市町村の保健センターでは保健師に電話で相談できるシステムを導入しているところが多くあります。
特に心身が辛い産後1カ月は、保健師が家庭を訪問してくれるサービスを提供している自治体もあります。
1カ月健診のときに、助産師などに悩みを相談してみるのもよいでしょう。
体の痛みがひどい場合は、実家や周囲の助けを借りることができれば手伝ってもらうことも大切です。
近隣に助けてもらえるような知り合いがいない場合は、ベビーシッターサービスや家事サービスを利用するのも選択肢の一つです。
1時間あたりの利用料を支払えば、赤ちゃんの面倒を見てもらったり、掃除や洗濯、買い物などを代行してもらったりすることができます。
ひどい体調不良で育児が困難な場合、家事や育児のサービスを受けられる自治体もあります。
特に心身ともに辛いのが出産後の最初の1カ月間です。この1カ月間は、家事は手を抜いて構いません。
家のことを一生懸命やるよりも、自分の体を労ることを優先しましょう。
家事を少し休憩して、その分の時間を睡眠時間確保に充て、少しでも体を休めるようにします。
精神的な辛さを乗り越える方法
精神的な辛さの主な原因は、慣れない育児を一人で抱え込んでしまうことにあります。
初めてのことばかりで悩んでしまったら、産後の辛さを経験した人に相談して、乗り越え方をアドバイスしてもらうことをおすすめします。
育児の経験者からのアドバイスを聞けば、気持ちが楽になって安心できるでしょう。
個人差があるものの、最初の1カ月間のような辛さは3カ月を過ぎるころにはだんだんと軽くなってきます。
一人で育児をするのが辛いときには、インターネットの掲示板やSNSで同じ状況にある人の書き込みを読んだり、交流したりすることで孤独感を軽減することも可能です。
出産後の精神的な辛さは多くの出産経験者が通る道で、自分一人に起こることではありません。
いろいろな人と悩みを共有して、一人で抱え込まないようにしましょう。
仕事への復帰が不安になる理由と乗り越え方とは
産休を取って育児をしている人は、出産後や育児中に仕事への復帰が不安になることもあります。
予定していることとはいえ、なぜ職場復帰に不安を感じてしまうのでしょうか。その理由と不安な気持ちの乗り越え方について紹介します。
仕事復帰が不安になる理由
職場復帰が不安になる理由はさまざまです。
主に、仕事よりも子どもと一緒にいてあげたいという気持ちから辛くなる場合と、育児中に職場に迷惑をかけるのが辛いという場合、育児と仕事との両立に悩んでしまう場合があります。
実際に子育てを始めてみると、日々成長していく子どもに寄り添って成長を見逃したくないという気持ちが強くなっていく人もいます。
仕事をすることで、子どもと接する時間が少なくなるのが不安という人もいるでしょう。
保育園に入所が決まっても、大声で泣く子どもを見て保育園に預けていくことが辛くなるケースもあります。
また、仕事をするためには保育園に預けなければなりませんが、子どもがたくさんいるので冬場は風邪やインフルエンザに感染しやすくなり、仕事を休まなくてはならなくなることも少なくありません。
子どもの急な病気も多く、急に会社を休むことになって職場に迷惑をかけることが辛いという人もいるでしょう。
残業時に子どものお迎え時間に間に合わなくなるのが心配という声もあります。
仕事と子育て、家事をきちんと両立できるかどうか不安になることも多くあります。
勤務日のスケジュールがタイトになれば、自分の体力に不安も残るでしょう。
このように、いろいろな理由で職場復帰を心配する気持ちが涌き起こってくるのです。
仕事復帰の不安を乗り越える方法
子どもの成長をきちんと見守りたいと思う人は、限られた時間でも子どもの成長に寄り添うことが大事です。
保育園でしか体験できない遊びもあります。
保育園での生活を通して、日々子どもが成長していく姿をしっかりと受け止めるようにしましょう。
入園当初はどの子どもも泣くものです。
しかし、子どもは順応性が高いので、いつの間にか預けられている時間を楽しむようになります。
子どもの突然の病気で仕事を休みにくいときは、病児ケアをしてくれるベビーシッターサービスの利用を検討するのもよい方法です。
仕事との両立によるママの体力が心配なときも、ベビーシッターなどのサービスを利用することで乗り越えられる可能性が高くなります。
大事なのは、一人で何でもやろうとしないことです。
うまく人の手を借りて、さまざまな不安を乗り切りましょう。
辛い産後を乗り越えるには一人で抱え込まないことが大切
産後は痛みと精神的な辛さを同時に抱えながら育児をするため、健康な体で行うより辛さが倍増することが少なくありません。
ただし、赤ちゃんの時期は、過ぎてしまえばあっという間で、経験者からはもっと気楽に育児を楽しんでおけばよかったという意見も多いものです。
自分の赤ちゃんだから自分が育てなきゃと気負わずに、上手に周りの手を借りて育児期間を楽しみましょう。
手を抜けるところはうまく手を抜き、身内やベビーシッターなどさまざまなサービスを利用することで、一人で子育ての負担を抱えすぎないことが大切です。